銀盤に舞う妖精たち

gentle-smile2005-12-25

今日行われたアイススケート全日本選手権
オリンピックへの狭き門をくぐる、
最後の舞台となった。
女子は年齢制限で出場できない浅田真央を除いても、
村主章枝荒川静香安藤美姫恩田美栄中野友加里
とそうそうたるメンバー。
誰が選ばれてもおかしくない、そんな状況での試合であった。
 
彼女らのプレッシャー、
この試合に掛ける思いは相当のものだったのだろう。
だが、皆そのプレッシャーに打ち勝ち、
大きなミスは全くなく演技しきった。
演技中の集中力もさることながら、
終わったあとの反応は様々。
やり遂げた達成感から来る安堵は一様に感じられたが、
それが笑顔となって表れる人、涙となって表れる人。
だけど、そんな誰しもが輝いて見えた。
いや、彼女たちはみんな輝いていた。
 
押しつぶされそうになるほどのプレッシャーがあったに違いない。
だからこそ、
それを乗り越えられた彼女らは一回り大きく見えた。
あれだけ頑張っているのだから、
みんなトリノに行かせてあげたい。
自然とそう思えた。
 
でも、オリンピックに出ることがすべてではない。
それは彼女たちが一番よく分かっているはず。
それよりも、苦しい中をなんとか頑張って来れたこと、
そして自分のベストを出せたこと、
それが大きな財産になるはずだ。
演技後、一様に肩の荷が降りたような表情を見るにつけそう思った。
また、あれだけの観衆を演技で魅了できたことは、
なにものにも変えがたい喜びとなったに違いない。
 
メダルなんてどうでもいい。
そんなことよりも、人間として輝いていること、
さらにはそれを何人もが立て続けに見せてくれたこと。
こちらこそに感謝したい。
今は、彼女たち全員にありがとうと言いたい。
そしてゆっくり休んでくださいとも。
選手たちはみな、いい正月を迎えられるに違いない。