きもの

正直、僕が着物についてあれこれいうほどの
知識や見聞はほとんどない。
だが、このエントリーを書くことにより、
なんらかの形で着物文化に貢献できれば幸い、と思い書くことにした。
言ってしまえば、恥をさらすのは覚悟の上。
 
さて、去年のことになるが、
着物の老舗である「きしや」が倒産してしまった。
原因はいろいろあるが、
簡単にいってしまえば経営面が軟弱だったから。
今は経営がしっかりとしたところに買収され、
「きしや」という看板は残っている。
実際、昨日・今日と都内のホテルにて鑑賞会が行われていた。
 
が、この新生「きしや」、
いわゆる「きしや好み」と呼ばれる玄人たちには不評らしい。
というのも、
以前のきしやが現場主導の商品展開だったのに対し、
新生きしやは経営優先のトップダウン方式に変わってしまったのだ。
つまり、売れ線ばかりに偏ってしまい、
着物本来の良さがにじみ出てくるようなものは僅かとか。
非常に残念なことである。
 
とはいえ、「きしやごころ」は残っていた。
元きしや従業員が個人で店を起こし、
小規模ながらも頑張っているとのことだ。
 
着物も、見方を変えればひとつのアート。
もっといえば、日本独特の文化である。
文化とは、お金で買えないのはもちろん、
容易には創造できないものである。
長年の月日をかけて、大切に育てられたもの。
それが資本主義の波で
簡単に押しやられることはあってはならない。
日本文化の啓蒙活動が、
義務教育の過程に組み込まれてもいいのではなかろうか。
こうしたものにより多くの人が触れる機会を
設けることはできないのだろうか。
 
不肖ながら、そう思った。